多重債務者とは?なりやすい人の特徴や抜け出す方法

必要に迫られて借金をすることは十分あり得ます。ただ、1つの借入先では足りずに複数の業者から借金をしてしまっている方はいませんか?

2か所以上から借り入れをしている状態は「多重債務」と言われ、非常に危険な状態です。

どうして多重債務者になってしまうと危険なのかの理由と、多重債務に陥ってしまう原因、解決方法や陥りやすいタイプについて解説していきましょう。

多重債務が危険と言われるのは返済額が増え続けるから!?

多重債務とは
複数社から借り入れをして返済が困難になっている状態を意味します。

借入先が増えれば、総返済額が増え毎月の負担も大きくなります。利息も膨らみ、借金がなかなか減らない…返せない…という状況に陥ります。

更に、返済のために借金を繰り返してしまうことで更に苦しい状況に追い込まれることも…!

膨らみ続ける借金、終わりが見えない返済、これが多重債務の怖さなのです。

ちなみに、クレジットカードの利用も借金に該当します。翌月または翌々月に支払わなければいけないので、現金がないからとクレジットカード払いに頼っていると支払いが出来なくなる恐れがあるのです。

返済のための借り入れと同じで、クレジットカードの支払いのためにキャッシングをして補填してしまえば、それも多重債務のきっかけになってしまいます。

知っておくべき【多重債務問題】

複数社からの借金をしていることだけが、多重債務のリスクではありません。

  • 生活に支障が出る
  • 借金の総額が把握できない
  • 返済が終わらない

借金を重ねていくと、当然返済額も増えていきます。毎月の返済額を捻出するために生活費が不足してしまうというのも、リスクの1つです。

また、金銭面以外にも生活に支障が出るケースがあります。

督促に追われる日々が続けば、精神的に追い詰められてしまいます。また、滞納することで裁判になったら、自分の財産・資産を差し押さえられてしまうことも!

借金総額がいくらか把握できないまま、いつまでも終わらない返済に追われる借金地獄。そのことで夜逃げや自殺といった選択を取ってしまう方もゼロではありません。

多重債務は、一刻も早く解決しなければいけない危険な状態なのです。

借り入れを重ねてしまう原因

借金は、できるだけ少ない方が良いですよね。それが分かっていて、どうして借り入れを重ねてしまうのでしょうか。

その主な原因について見ていきましょう。

低収入やリストラによる生活苦

多重債務の最も多い原因は、低収入・収入の減少によるものです。

生活費や教育費などを用意するために借り入れをする、収入が増えないため更に借り入れを重ねる、という悪循環に陥るケースも少なくありません。

借金のために借金を繰り返す自転車操業

返済できなくなって延滞してしまえば、遅延損害金が発生します。また、督促も始まり、裁判になるケースもあります。

督促や遅延損害金に耐えられず、とりあえず借金をして返済をすることも考えるかもしれません。

そこで、【返済できない】→【キャッシングしたお金で返済する】→【返済できない】→【更に借金をする】という自転車操業状態に陥ってしまうのです。

商品・サービス購入やギャンブル目的

欲しいものを手にするため、ギャンブルの為の資金としてキャッシングをしてしまう人もいます。

返済のことを考えず、目先のことだけを考えてしまうことが多重債務に繋がるということです。

名義貸し、保証人など第三者からの被害

第三者に名義貸しをする、保証人になってしまうなどのケースで借金が発生することも、多重債務の要因の1つです。

名義貸しは違法行為であるだけでなく、犯罪に巻き込まれる恐れもあるので決して行ってはいけません。

また、保証人になってしまえば、代わりの債務を負うリスクが生じます。保証人になる際は、慎重に検討することが必要です。

闇金やソフト闇金からの借金

闇金やソフト闇金から借金をすることも、多重債務の原因と言われています。

ソフト闇金
法定利息を超えた高利子で貸し付けをする違法業者。闇金のような強引な取り立ては無く、比較的親身な対応をしている。

闇金とは違い、恫喝などの行為はありませんが、法外金利で貸し付けを行っている違法業者であることに変わりはありません。

返済負担が大きくなるだけでなく、返済できなくなれば身内にバラすといった脅迫行為が始まる可能性もあるため、闇金、ソフト闇金は決して利用してはいけません。

複数ある借金を解消するための2つの方法

では、多重債務になってしまったときにはどうすれば良いのでしょうか。

主な解決方法として、2つの方法をご紹介しましょう。

1.ローンを1つにまとめる
複数の借り入れを一本化することで、返済日が1つになり借金の管理がしやすくなります。
 
借金総額が把握できるメリットもありますし、金利差の分だけ返済負担が軽くなる可能性もあります。
2.債務整理をする
過払い金請求や任意整理、個人再生、そして自己破産などの債務整理を行うことで、借金総額を減らすことができます。
 
どの方法が適しているかは個々のケースによって違うため、弁護士や司法書士など専門家に相談しましょう。

ローンの一本化には借金管理などの面でメリットはありますが、膨らみすぎた借金を大きく減らせるわけではありません。

多重債務を解決するためには、1人で悩まずに専門家に相談してアドバイスをしてもらうことが大切です。

最近は、無料で借金相談に応じている弁護士事務所や司法書士事務所も多くあります。自治体が定期的に無料相談会を開催していることもあるので、チェックしておくと良いでしょう。

多重債務者がお金を借りることはできない

借金返済方法として、新たな借金をすることは考えてはいけません。

そもそも、複数社からお金を借りていると返済額も大きくなるため、新たに借り入れをしても返済できないと判断されてしまいます。

つまり、多重債務者は新たに借り入れをすることはできないのです。

多重債務者でも借りられるという広告は闇金などの違法業者であると考え、決して利用しないようにしましょう。

返済能力がない相手に貸し付けをすることは、貸し手にとって大きなリスクを伴います。

強引にでも取り立てをする、違法金利での利益を見込んでいるという悪質な業者であると認識してください。

あなたは大丈夫?多重債務に陥りやすいタイプをチェック

多重債務は、すべての人が陥るわけではありません。なりやすいタイプとしてどのような人が該当するのでしょうか。

次のポイントをチェックしてみましょう。

  • 計画を立てるのが苦手である
  • 将来を予測して動くことが出来ず、今しか見ていない
  • 欲しいものが我慢できない
  • お金があると使ってしまう
  • 見栄っ張りである
  • 逃げ癖がある
  • 人とコミュニケーションをとるのが苦手である
  • 自制心が弱い

1つでも当てはまる項目があれば、要注意です。

辛いことがあったときに逃げる癖がある、今どうにかなればこの先も大丈夫、そんな性格の方は、お金を借りるという行為に対するハードルが低く多重債務に陥りやすい傾向があります。

また、困った時に頼る相手がいない場合も、1人でどうにかしなければいけないと借り入れに頼りがちになると考えられます。

借金を重ねないために注意すべきこと

複数社からの借り入れを防ぐためには、必要最低限の借り入れをする、返済計画を立ててから利用する、自身の収入と支出について細かく把握するといったことが重要となります。

毎月の収入と支出の内容を知ることは、自分の返済能力を把握することに繋がります。毎月いくらであれば無理なく返済できるのかを考えることを心がけましょう。

また、これ以上キャッシングしないようにするために、借り入れ可能なカードがあれば解約しておきましょう。

借金は必要な時に大きな助けとなるものである一方で、返済が出来なければ生活を苦しめる要因にもなってしまいます。

だからこそ、計画的に利用する事が求められるのです。

元金を減らすために繰り上げ返済の活用を

繰り上げ返済とは
毎月の返済とは別に、借入額の一部を返済することです。繰り上げ返済は全額元金返済に充てられるため、効率よく元金を減らすことが出来ます。

元金が減れば、返済期間を短縮し、かかる利息総額を抑えることができるので返済負担を減らすことができます。

多重債務に陥らないようにローンやキャッシングは計画的に利用を!

複数社から借金をすると、多重債務になります。借金を重ねることで返済が苦しくなり、その返済のための借金を繰り返してしまえば、いつまでも完済できずに生活に支障が出てしまうのです。

多重債務に陥らないために、借金をするときは返済を考えて計画的に利用する事、そして、無駄な借金はせず必要最低限のみ利用する事を心がけましょう。

もし多重債務に陥ってしまった場合は、速やかに専門家に相談して解決のために動くようにしたいですね。

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