FXを始める資金はいくらから?少額投資におすすめの証券会社も紹介

FXの基礎知識 2024.04.24

FXと聞くと、大金を用意しないと始められないと思っている人も多いようです。

たしかに昔は、取引開始までに一定の資金は必要だったのですが、今は少ない元手でも取引ができるようになっています。

この記事では、FXを始めるためにどのくらいの資金が必要なのかと、FXでの少額投資のメリットとデメリットを詳しく説明していきます。またFXでの少額投資に向いている証券会社を、3社ピックアップして紹介します。

FXを始めるためには最低限いくらぐらい必要なの?

まず、「1米ドル」が「100円」であると仮定します。この場合、自分が持っている日本円でアメリカの1ドル札を手に入れるには、100円だけあれば足ります。この取引が、米ドルと日本円の間で「1通貨」の売買が行なわれたという状態です。

このように1通貨だけで取引ができるなら話が早いのですが、細かい単位での取引を許すと、証券会社の手間が大きくなりすぎます。そのため、ほとんどの証券会社は、「最少取引通貨単位」を設定しています。

ほとんどの証券会社では、最少取引通貨単位は「1,000通貨」か「10,000通貨」としてあります。1米ドルが100円という先ほどの仮定に当てはめると、最少取引通貨単位と必要金額の関係は次のようになります。

最少取引通貨単位と取引に必要な資金の関係
最少取引通貨単位 1取引で必要な資金
1通貨 100円
1,000通貨 10万円
10,000通貨 100万円

このように、最少取引通貨単位が多ければ多いほど、FXトレードに必要な資金も増大してしまいますので、少ない資金でFXをしたいなら、最少取引通貨単位が小さい証券会社を選ぶのがコツです。

ロットって何?最少取引通貨単位とは違うの?

FXにおける「ロット」は、最少取引通貨単位と似たもので、1回の取引で行う通貨単位を意味します。こちらも証券会社ごとに、1ロットが1万通貨だったり10万通貨だったりします。

1ロットが最少の取引単位のはずなのですが、実は0.1ロットで売買ができる証券会社もあります。たとえば、1ロットは10,000通貨でも、0.1ロット単位でトレードできるなら、最少取引通貨単位は1,000通貨となります。

最少取引通貨単位とロットは、証券会社と取引する通貨ペアによって変わりますので、必ず事前に確認してから取引を行いましょう。単位を間違えて、取引するつもりだった金額の10倍を使っていた、などというケースもみられます。

FXにはレバレッジがかかるため必要資金は少なくなる

これまで説明したように、現金でFXトレードをしようとすると、大きな資金が必要になります。しかしFXには「レバレッジ」というシステムがあり、少ない資金でも大きなトレードができるようになります。

レバレッジとは

少ない資金でより大きな取引を行うための仕組みで、小さな力で重いものを持ち上げる「てこの原理」に例えられます。

たとえばレバレッジ10倍とレバレッジなしを比較すると、資金量や通貨ペアなどの条件が同じなら取引できる数量は単純に10倍になるため、より大きな利益を狙うことが可能です。

※レバレッジのリスクを軽減する方法やリスクが減らせるFX会社を特集した記事「【FX】レバレッジとは?リスクを軽減する3つの対策!」も是非御覧ください。

日本の場合、「個人投資家」のFXのレバレッジは「25倍」が上限だと法律で定められています。そのため、1万円で取引できる金額も、25万円が上限となります。

FXは証拠金を担保として差金決済取引でおこなう

FXだと、どうして持ち金の何倍もの取り引きができるのか、気になった人もいるかもしれません。前の説明では、わかりやすくするために通貨そのものを買っているように表現していました。

しかし実は、FXの場合、現物のやり取りはせず、売買の「差額」のみを受け渡す「差金決済取引」を行っています。たとえば、100万円分の買いを入れ、その通貨が後に99万円分になってしまった場合、反対売買を行った際に、差額の1万円だけを相手側に払う形になります。

最初の買付(売付)では支払いを行なわないため、取引の「担保」として証券会社にお金を預けておきます。これが「証拠金」と呼ばれているものです。この証拠金の25倍までの取引ができるようになります。

FXは1万通貨の取引でいくらくらいの資金が必要?

ゴチャゴチャ説明しても、あまりイメージがわかないという人もいるかもしれません。そこで、最少取引通貨単位と通貨ペアによって、どの程度の証拠金(資金)が必要か、次のような表にまとめてみました。

通貨ペアのレートは、現状のレートを参考に、米ドル/円が140円、ユーロ/円が150円、ポンド/円が170円、豪ドル/円が90円に設定してあります。

通貨ペアと最少取引通貨単位ごとの必要証拠金
通貨ペア 1,000通貨 10,000通貨
米ドル/円 5,600円 56,000円
ユーロ/円 6,000円 60,000円
ポンド/円 6,800円 68,000円
豪ドル/円 3,600円 36,000円
※レバレッジ25倍のとき

通貨ペアによって異なりますが、最少取引通貨単位が1,000通貨なら5,000円程度、最少取引通貨単位が1万通貨なら5万円程度の証拠金が必要だとわかるはずです。

また、1ロットが100通貨の証券会社なら、500円程度の資金で足りることになります。

為替レートは毎日変動していますので、この表よりも必要証拠金が増えることもあれば、減ることもあります。円高になるほど必要証拠金は少なくてすみ、円安になるほど多くの証拠金が必要になります。

また、証拠金の扱いは証券会社によって違いがあります。1円単位でピッタリ証拠金を計算する証券会社もありますし、端数は切り上げて千の位以上でしかカウントしないといった証券会社もあります。
※記載の情報は2023年5月現在のものです。

FXを少ない資金で行う2つのメリット

FXを少ない資金で始めることには、次のような2つのメリットがあります。

FXでの少額投資のメリット

では、それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。

動かすお金が少ないほど損するお金を減らすことができる

FXでの損失額は、取引に使った資金の額に比例します。たとえば、「1万円」のトレードで10%通貨価値が下落したら1,000円を失いますが、「10万円」でトレードしていたら損失額も1万円まで増えてしまいます。

もちろん、相場が有利に動いて利益を得られる時は、資金が大きいほど儲けも多くなります。

つまり少額投資は、「ローリスク・ローリターン」なFXを行えるということです。

このメリットの効果を特に得られるのは、「初心者」です。為替の動きがよくわからないうちから大きな投資をすると、莫大な損失を抱えてしまう危険性があります。そのため、ローリスクな投資でFXの経験を積むのが堅実な方法だと言えます。

投資経験は無料の「デモトレード」でも積めますが、やはりお金を使わないトレードと、自己資金で行うトレードでは、心理的な違いが出てしまいます。ですから、最初は少ない資金でFXを体験してみることをおすすめします。

FXにかけるお金が少ないと心理的な負担も少なくなる

FXにかけるお金が多くなればなるほど、トレードによる心理的な負担も大きくなります。たとえば、貯金をすべてFXにまわしてしまった場合など、緊張でまともな精神状態でいられなくなってしまう可能性があります。

心がグラつくと、冷静な判断ができなくなるため、トレードに失敗する危険性も高まってしまいます。

ですから、FXに使う資金は、心に大きな負担をかけない程度の金額に抑えておくのが賢明です。

持っているポジションのレート変動が気になって、「仕事に集中できない」「夜眠れない」といった症状が出ているなら、明らかにFXの利用金額が大きすぎます。

FXを少ない資金で行う2つのデメリット

FXを少ない資金で行う場合、次のような2つのデメリットがあります。

FXでの少額投資のデメリット

では、少額投資のデメリットについても、詳しく確認していきましょう。

資金が少ないと大きな利益は得られない

FXは25倍までのレバレッジが効きますので、他の投資方法よりは大きなリターンを期待できます。しかしそうは言っても、元の資金が少なければ得られる利益も少なくなってしまいます。

少額の利益が得られるだけでは、総合的に見れば、実はプラスではない可能性があります。たとえば、1日に100円ずつ、月に3,000円の利益が得られたとします。たしかにFXの収支が黒字になることは、立派なことです。

しかしこれが十分な利益となっているかは疑問です。なぜなら、FXをするということは、パソコンかスマホを使っているということですので、必ず「電気代」がかかります。

また、FXの勉強をする時間や、経済指標を確認する時間、トレードをする時間など、多くの時間を費やしているはずです。これらのことを考えると、少ない利益では割に合いません。

FX初心者のうちは利益度外視で、勉強と思って少額投資をするのが良いのですが、中級者以上になったら、少し投資額を増やして大きめのリターンを取りに行きたいところです。

証拠金が足りなくなるとロスカットされてしまう

少額投資をしていると、証拠金が不足する事態に陥りやすくなります。証拠金が足りなくなると、「ロスカット」を食らってしまいます。

ロスカットとは、「証拠金維持率」が一定以下になった場合に、すべてのポジションを証券会社が強制的に成行決済してしまうことを言います。

たとえば、1ドル100円で、1万通貨のトレードをするとします。このトレードを成立させる最低限の証拠金は4万円です。証拠金を最低限の4万円しか入れてない場合、証拠金維持率が100%となります。

証拠金維持率が100%を切るとロスカットが発動する証券会社の場合、相場が少しでも不利な方向に動くと、全ポジションが決済されてしまいます。

しかし証拠金40万円で同じトレードをした場合、証拠金維持率が1,000%になるため、多少の相場変動ではロスカットまでいきません。

証拠金維持率100%というのは、レバレッジが25倍かかっている状態ですので、リスキーな状況です。資金が少ないほど、ちょっとした取引でも証拠金維持率が下がりやすくなってしまいます。

FXの少額投資でおすすめの証券会社を2社紹介!

少ない資金でFXを始めたい、という人におすすめの証券会社は、「松井証券」「みんなのFX」の2つです。

FXでの少額投資向きな証券会社2社の比較表
項目 松井証券 みんなのFX
最少取引通貨数 1通貨 1,000通貨
取引可能通貨ペア数 20通貨 34通貨

では、それぞれの証券会社の特徴について、さらに詳しく見ていきましょう。

松井証券(MATSUI FX)は100円からでもFXができる少額投資向けの会社

松井証券(MATSUI FX)の紹介

松井証券「MATSUI FX」の特長
  • 1通貨からトレードできる
  • 長く証券会社をやっていて信頼性が高い
  • 業界最狭水準のスプレッド
  • レバレッジ率を下げられる
  • 長時間のサポートサービス

松井証券は、1918年に設立された「松井房吉商店」の流れをくむ会社で、長い歴史を持つ老舗です。そのため、創業間もない証券会社と比べると、「信頼性」が高くなっています。

松井証券(MATSUI FX)の1番の特長は、「1通貨」からFXができるということです。

米ドル/円で1通貨なら、取引額が100円程度ですので、わずか「4円」の証拠金で取引ができる計算になります。そのため、初心者がFXに慣れるためには最適な証券会社だと言えます。

業界初、なんと自動売買も1通貨からはじめられるんですよ。24時間自動で取引可能です。

松井証券(MATSUI FX)の自動売買

また松井証券(MATSUI FX)では、自分の意思で「レバレッジ倍率」を下記の中から選ぶことができます。

  • 「25倍」
  • 「10倍」
  • 「5倍」
  • 「1倍」

レバレッジが大きすぎると、つい大金で取引してしまって不安だ、という人にはもってこいのシステムです。

松井証券の「コールセンター」は、平日7時から24時まで営業しています。これも、FXに慣れていない初心者には、ありがたいサービスです。

興味を持った方は「松井証券(MATSUI FX)の評判」をまとめた特集記事か公式サイトをチェックしてみましょう!

松井証券(MATSUI FX)の公式サイトへ
松井証券(MATSUI FX)の公式サイトへ

みんなのFXはスワップポイントが優秀で長期投資向き

みんなのFX(トレイダーズ証券)
トレイダーズ証券の「みんなのFX」には、次のような特長があります。

  • 業界最狭水準のスプレッド
  • スワップポイントが優秀
  • 約定スピードが速い

みんなのFXも、スプレッドは業界最狭水準ですが、松井証券よりもさらに狭くなっています。もちろん、通貨ペアの種類などによって入れ替わることはありえますが、業界トップクラスのスプレッドであることに違いはありません。

みんなのFXはスワップポイントも優秀です。ポイントを貰えるポジションの取引は、利益が多めで、マイナスポイントになるポジションは、損失が少なめに抑えられています。

そのため、長期売買をメインにしたい人は、みんなのFXが適しています。

興味を持った方は「みんなのFXの評判」をまとめた特集記事や公式サイトを是非、ご覧ください。

みんなのFX(トレイダーズ証券)の公式サイト
みんなのFX(トレイダーズ証券)の公式サイト

FXは1,000円しか資金が無くても始められる!

FXは、証拠金を担保にしてトレードを行います。この際、証拠金の25倍までの取引ができますので、少ない資金でも大きなトレードが可能です。

1回の取引の最低資金は、取引通貨ペアの種類と、証券会社によって異なります。最少取引通貨単位が小さい会社を選ぶと、少ない資金でもFXを始められます。最少取引通貨単位が「1通貨」の松井証券が、特におすすめです。

少額投資なら、失敗しても損失が少ないため、初心者は数千円からせいぜい数万円までの少額投資からFXを始めたほうが安心です。

利益が大きくなるトレードは、FXに慣れてから行いましょう。

※記載の情報は2023年9月現在のものです。
 
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